沖縄の「やちむん」をご存じですか。
やちむんとは沖縄の方言で「焼き物」(器)のことを意味します。
沖縄独特の絵柄や温かみのあるフォルムで、最近は沖縄県内外で注目度も高くなっています。
現在は沖縄のお土産としても人気のやちむんです。
今回はそんな沖縄のやちむんについて、やちむんの2大名所である「壺屋」と「やちむんの里」の歴史を解説します。
最後には沖縄県内で開催されている主なやちむん市についても紹介します。
荒焼とは、南蛮焼きとも言われ、釉薬を掛けずに焼いたものです(素焼き)
主に水を溜める甕や、泡盛の甕など大きなものが中心です。
■やちむんの歴史
■やちむんの2大名所について
■沖縄のやちむん市について
この記事は沖縄移住生活13年、歴史サークに所属していたももとが書いています
やちむんの歴史
ここではやちむんの歴史についてわかりやすく紹介します。
■1616年 薩摩から琉球へ3人の朝鮮人陶工がやって来る
■1682年 尚貞王が各地にあった窯元を壺屋へ集める
~明治以降、県外から安価なものが入りやちむんは衰退していく~
■1926年 民藝運動で日用品としての美が認められ、現在のやちむん人気の礎となる
■1970年代 公害問題で壺屋から読谷へ窯元が移される
1600年以前の琉球では、中国や東南アジアなどと盛んに貿易をしていて、その中で海外の陶器もたくさん輸入されていました。
しかし、1609年の薩摩侵攻以降、貿易が制限され、1682年には王国内の各地にあった窯元が壺屋に集められました。
これにより、王国内でのやちむんの生産が本格的になったと言われています。
その後やちむんは一般庶民にも広がりましたが、明治時代に沖縄県になると県外から安価な陶器が多く入ってきたため、やちむんは徐々に衰退していきます。
しかし、1926年の民藝運動により、思想家の柳宗悦や陶芸家の浜田庄司らによって、やちむんの日用品としての美しさが認められ、現在のやちむん人気の礎となりました。
沖縄の人間国宝の金城次郎氏も彼らの指導を受けたと言われています。
1970年代には、全国的に公害が問題となり、壺屋の登り窯の煙も問題視され、壺屋から読谷へ陶芸家たちは移っていきました。
それが現在の読谷にあるやちむんの里ですね。
ちなみに壺屋にあり長らく放置されていた登り窯の東ヌ窯は現在きれいに整備され、2021年4月から見学できるようになっています。
やちむんの2大名所|壺屋とやちむんの里の誕生について
壺屋への統合
尚貞王の時代1682年に、それまで喜名・知花・湧田・宝口にあった窯元を、現在の那覇市壺屋に統合したのが壺屋窯の始まりです。
薩摩の支配下により、他国との自由貿易が制限され、中国などの磁器が入りにくくなり、自国での生産を余儀なくされました。
しかし、各窯元を一か所に集めたことにより、やちむんの生産が活性化され、壺屋焼の誕生に繋がりました。
・喜名窯(読谷村)
・知花窯(沖縄市)
・湧田窯(那覇市壺川周辺)
・宝口窯(那覇市首里)
壺を運ぶから壺川になったよ
また当時、泡盛の製造は首里にある王府に認められた蔵元だけに限定されており、泡盛を入れる甕を製造する窯元も、一か所に集めた方が管理しやすいのもあったのでしょう。
当時の泡盛は貴重な輸出品だったよ
やちむんの里の誕生
1970年代に入ると、日本全国で空気汚染など公害問題が注目されてきます。
沖縄でも壺屋の登り窯から出る煙が問題となっていました。
最盛期には30もの窯があったと言われています。
1972年には、沖縄県初の人間国宝の故・金城次郎氏は壺屋から読谷へ活動の場を移しました。
金城次郎さんは魚の絵柄が有名だよ
読谷にはもともと喜名に窯元があり、やちむんを作るのに適した土があったのです。
その後1980年には、4名の陶工が読谷に共同窯を作り、ここで作られたやちむんを「読谷山焼(ユンタンザヤキ)」としました。
これが、現在のやちむんの里の誕生です。
沖縄県内のやちむん市
そんな魅力的なやちむんをお得に手に入れたいという方には、沖縄県内で開催されているやちむん市がオススメです。
お買い得商品や通常の2~3割くらい安くなっているものまでも\(^o^)/
中でも毎年2月の最終土日に開催される読谷やちむん市は、県内最大規模のやちむん市で、私も沖縄にいる時は毎年行っていました。
沖縄県内の主なやちむん市は以下のとおりです。
【読谷やちむん市】
■開催時期:2024年2月24、25日
■会場:JAゆんた市場
【おきなわ全島やちむん市】
■開催時期:4月
■会場:ムーンビーチホテル1階
【読谷やちむんと工芸市】
■開催時期:10月第3土日
■会場:Gala青い海
【壺屋陶器まつり】
■開催時期:11月
■会場:那覇市壺屋小学校
コロナ禍で開催内容が変更になっていたり、中止の場合もあるので確認してから行ってくださいね(^^
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